日中翻訳コンテスト  201112

           


2011年12月の優秀答案当選者5名: 凌炎、橋本祐樹、劉清麗、上田美歩、本郷博美

 

「蟹工船 2011-12」 ――「もう三年も生きれたら有難い。」と云っていた。粗製ゴムのような、死んだ色の膚をしていた。 漁夫の仲間には、北海道の奥地の開墾地や、鉄道敷設の土工部屋へ「蛸」に売られたことのあるものや、各地を食いつめた「渡り者」や、酒だけ飲めば何もかもなく、ただそれでいいものなどがいた。青森辺の善良な村長さんに選ばれてきた「何も知らない」「木の根ッこのように」正直な百姓もその中に交っている。――そして、こういうてんでんばらばらのもの等を集めることが、雇うものにとって、この上なく都合のいいことだった。(函館の労働組合は蟹工船、カムサツカ行の漁夫のなかに組織者を入れることに死物狂いになっていた。青森、秋田の組合などとも連絡をとって。――それを何より恐れていた)。糊のついた真白い、上衣の丈の短かい服を着た給仕が、「とも」のサロンに、ビール、果物、洋酒のコップを持って、忙しく往き来していた。サロンには、「会社のオッかない人、船長、監督、それにカムサツカで警備の任に当る駆逐艦の御大、水上警察の署長さん、海員組合の折鞄」がいた。「畜生、ガブガブ飲むったら、ありゃしない」――給仕はふくれかえっていた。 漁夫の「穴」に、浜なすのような電気がついた。煙草の煙や人いきれで、空気が濁って、臭く、穴全体がそのまま「糞壺」だった。区切られた寝床にゴロゴロしている人間が、蛆虫のようにうごめいて見えた。


小林多喜二


 

[蟹工船2011-12]:「“让我再多活三年就好了”他这样说着。他的皮肤和粗制的橡皮一样粗糙,就像死人的肤色。渔夫们,有来自北海道深处的开垦地和铺设铁道的工房里被贩卖终生无法脱出就像进了捕捞章鱼的章鱼壶里的「章鱼」,有各地无顿着的「候鸟」,还有只要能喝酒什么都干的家伙,也有青森一带好心眼儿的村长挑出的「什么都不知道的」「就像木根那样」木纳的百姓也混杂在里面。− 雇佣的就是这样一些七拚八凑的乌合之众,按雇主的想法,这样招来的最好。(为什么呢? 函馆的工会就在蟹工船里,在去堪察加的渔夫们中想把工会干部插进去的话就会闹得天翻地覆,再和青森,秋田的工会取得联系的话就更是天不怕地不怕了。) 穿着浆洗过的雪白的短上衣的博外在「友人沙龙」里端着啤酒,水果,洋酒的杯子,忙乱地走过来走过去。这家沙龙里有「公司的横人,船长,监督,在堪察加当警卫的驱逐舰的船老大,水上警察的署长,胳臂里夹着公文包的海员工会的什么人…等等」什么人都有。“畜生,嘎叭嘎叭喝什么呀”− 博外嘴里嘟嘟囔囔说道。渔夫们的「窝」里,像吊着的茄子一样的电灯打开了。烟草的烟和人群呼吸的怪味儿让空气污浊不堪,发出臭气,就像「粪桶」一般。在一个个分隔开来的板床上滚来滚去的人们看上去就像蛆虫一样。」(小林多喜二 蟹工船   翻译者:凌焱)