日中翻訳コンテスト  2011年11月

            


2011年11月の優秀答案当選者5名: 凌炎、田村美鈴、井上美紀、橋本祐樹、藤本浩介

「蟹工船 2011-11」菓子で口をモグモグさせていた男が、皆の視線が自分に集ったことにテレて、ゲラゲラ笑った。「この女子、可愛いな」 便所から、片側の壁に片手をつきながら、危い足取りで帰ってきた酔払いが、通りすがりに、赤黒くプクンとしている女の頬ぺたをつッついた。「何んだね」 「怒んなよ。――この女子ば抱いて寝てやるべよ」  そう云って、女におどけた恰好をした。皆が笑った。「おい饅頭、饅頭!」  ずウと隅の方から誰か大声で叫んだ。 「ハアイ……」こんな処ではめずらしい女のよく通る澄んだ声で返事をした。「幾ぼですか?」 「幾ぼ? 二つもあったら不具だべよ。――お饅頭、お饅頭!」――急にワッと笑い声が起った。 「この前、竹田って男が、あの沖売の女ば無理矢理に誰もいねえどこさ引っ張り込んで行ったんだとよ。んだけ、面白いんでないか。何んぼ、どうやっても駄目だって云うんだ……」酔った若い男だった。「……猿又はいてるんだとよ。竹田がいきなりそれを力一杯にさき取ってしまったんだども、まだ下にはいてるッて云うんでねか。――三枚もはいてたとよ……」男が頸を縮めて笑い出した。 その男は冬の間はゴム靴会社の職工だった。春になり仕事が無くなると、カムサツカへ出稼ぎに出た。どっちの仕事も「季節労働」なので、(北海道の仕事は殆んどそれだった)イザ夜業となると、ブッ続けに続けられた。

小林多喜二 続く)


[蟹工船2011-11]把糖果放在嘴里骨碌骨碌打着转的男人,看到大家的视线集中到自己身上而难为情地嘿嘿嘿地笑起来。「这娘儿们,真俊」他一边说着一边在厕所里用一只手支着墙壁,一边跌跌撞撞地回到舱里。大概喝醉了吧,他用手指想去戳正好路过这里的晒得黝K发红的女人的脸,女人生气地喝道:「你要干什么!」「别生气呀,我想要抱你上床呀!」他这么去挑逗那个女人.大家顿时哄笑起来。「喂!包子!包子!」那边角落里有谁在大声嚷嚷。「好勒!」在这种地方能听到这么清脆的女人的回音真是不可想像。「你要几个?」「几个?」「来两个也吃不饱啊!-包子!包子!,」大家哇的一声都笑了起来.「这以前啊,一个叫竹田的男的,把那个叫卖的女人硬拖到没有人的地方,简直没意思,为什么呢,不管怎么弄也是白费力气」那年轻男人喝醉了呀.「小裤叉哟。竹田一使劲儿,抓住她,不过她下身还有裤衩,足足穿了三条呀!」男人把头缩到衣领里笑了出来。他是胶鞋工厂的冬季季节工,到了春天工作就没了,他去堪察加半岛打工。干什么都是季节工嘛。(北海道的工作几乎都是这样),一旦干上了夜活儿,就没完没了地干下去了。(小林多喜二  继续  翻译者:凌焱)