2011年10月の優秀答案当選者5名: ★凌炎、本田文佳、張超、澤田祐子、平松大輔 「蟹工船 2011-10」: ――朝暗いうちから畑に出て、それで食えないで、追払われてくる者達だった。長男一人を残して――それでもまだ食えなかった――女は工場の女工に、次男も三男も何処かへ出て働かなければならない。鍋で豆をえるように、余った人間はドシドシ土地からハネ飛ばされて、市に流れて出てきた。彼等はみんな「金を残して」内地に帰ることを考えている。然し働いてきて、一度陸を踏む、するとモチを踏みつけた小鳥のように、函館や小樽でバタバタやる。そうすれば、まるッきり簡単に「生れた時」とちっとも変らない赤裸になって、おっぽり出された。内地へ帰れなくなる。彼等は、身寄りのない雪の北海道で「越年」するために、自分の身体を手鼻位の値で「売らなければならない」――彼等はそれを何度繰りかえしても、出来の悪い子供のように、次の年には又平気で(?)同じことをやってのけた。 菓子折を背負った沖売の女や、薬屋、それに日用品を持った商人が入ってきた。真中の離島のように区切られている所に、それぞれの品物を広げた。皆は四方の棚の上下の寝床から身体を乗り出して、ひやかしたり、笑談を云った。「お菓子めえか、ええ、ねっちゃよ?」「あッ、もッちょこい!」沖売の女が頓狂な声を出して、ハネ上った。「人の尻さ手ばやったりして、いけすかない、この男!」 (小林多喜二 続く) [蟹工船2011-10]:——早上天还没亮就上地里,依然还是吃不饱,被饥饿逼得背井离乡。家里只留下长子——但还是吃不饱——女人去工厂做女工,长子以外的老二老三也不得不去哪儿找活儿干。就像在锅里挑豆子一样,多余的人一个一个的被挑出来,被弹出家乡的土地,流落到城市。他们个个都想着「一存下钱」就回故乡去。然而,为了干活儿而来,一旦踩上异乡的土地,就像踩到粘糕似的小鸟,在函馆或小樽吧嗒吧嗒扑腾。就这样,他们就穷得像刚出生的婴儿那样赤裸裸, 身无分文地被撵了出来。故乡也回不去了。他们不得不无依无靠地在深雪覆盖的北海道过年,不得不将自己的身子像卖鼻子卖手那样贱卖出去。——年复一年,就像没有出息的顽童那样。第二年又坦然的(?)反来复去干同样的事儿。他(她)们之中有背着糖果在港湾叫卖的女人,有卖药还有卖日用品的行商。他(她)们在屋子正中,就像孤岛一般划出一块空地把各自的商品摊开。大家从周围方形架子似的双层床上探出身子,与摊贩们戏弄着,开着玩笑。「糖果好吃吗?大姐?」「啊,你干吗!」叫卖女人突然跳了起来,用滑稽夸张的声调叫嚷起来:「拿手摸我的屁股,真讨厌!这男人!」(翻译:凌焱 本田文佳 张超 未完) |