日中翻訳コンテスト  2009年11月

             



2009年11月の優秀答案当選者5名: 施栄濤(埼玉県志木市)張超(東京都豊島区)張君艶(中国南京市)、高橋夏美(埼玉県蕨市)、王作斌(中国遼寧省丹東市)

「先生と私」の26: 私はKもお嬢さんもいなくなって、家の中がひっそり静まったころを見計らって寝床を出ました。私の顔を見た奥さんは、すぐどこが悪いかと尋ねました。食べ物は枕もとへ運んでやるから、もっと寝ていたらよかろうと忠告してもくれました。体に異状のない私は、とても寝る気にはなれません。顔を洗っていつものとおり茶の間で飯を食いました。その時奥さんは長火鉢の向こう側から給仕をしてくれたのです。私は朝飯とも昼飯とも片付かない茶椀を手に持ったまま、どんなふうに問題を切り出したものだろうかと、そればかりに屈託していたから、外観からは実際気分のよくない病人らしく見えただろうと思います。 私は飯をしまって煙草を吹かし出しました。私が立たないので奥さんも火鉢の傍を離れるわけにゆきません。下女を呼んで膳を下げさせたうえ、鉄瓶に水をさしたり、火鉢の縁を拭いたりして、私に調子を合わせています。私は奥さんに特別な用事でもあるのかと問いました。奥さんはいいえと答えましたが、今度は向こうでなぜですときき返してきました。私は実は少し話したいことがあるのだと言いました。奥さんはなんですかと言って、私の顔を見ました。奥さんの調子はまるで私の気分に入り込めないような軽いものでしたから、私は次に出すべき文句も少し渋りました。(夏目漱石 続く)


訳文:我瞅准K和小姐都走了,家里静悄悄的时机,离开了被窝。太太一见我的面,马上问道:“你哪儿不舒服?”又劝道:“我会把吃的东西给你端到床边来的,你再睡一会儿吧。”我身体状况并无异常,实在不想睡,便洗了脸,和平时一样在餐厅吃了饭。吃饭时太太隔着长火盆帮我添茶加饭。我手端着既不能算早餐也不能说是午餐的饭碗,心里净盘算着该怎样开口提起那件事来。我想大概因为这个原因吧,从外表看起来,我真象个身体不舒服的病人似的。吃完饭,我开始抽起烟来了。因为我并未起身离开饭桌,所以太太也不方便从火盆边走开。她喊来女佣把碗筷撤下去后,一会儿给铁壶加点水,一会儿擦擦火盆的边缘,在饭桌边陪着我。我问道:“太太有什么特别的事要做吗?”太太回答说:“没事”,接着却反问道:“为什么问这个?”我说:“其实我有点事想跟您说。”太太说了声:“是什么事呢?”然后看着我的脸。太太的语调轻轻淡淡的,完全和我的心情合不上拍,所以对本该接下去说的话,我也稍稍迟疑起来(原文:迟疑了一下)(夏目漱石 未完待续 翻译者 施荣涛)

訳文:我趁着K和小姐都不在家,家里变得宁静的时候, 钻出了被窝。 太太看了看我的脸之后, 立刻问我哪儿不舒服。她说她会将吃的东西送到我的枕边, 嘱咐我多睡一会儿。我并没有什么不舒服的地方, 所以根本没有睡意。我洗了把脸, 与往常一样地在餐厅里用餐。此时, 太太一直在火盆的另一端伺候(原文:词应)着我用餐。我端着饭碗, 却不知自己吃的是早餐还是午餐, 也不知道该如何打破沉默。因为我一直在顾虑此事, 所以从我的表情上看起来(原文:看出)好像是一个身体不舒服的病人。于是, 我放下饭碗, 开始抽烟。由于我没有站起来, 所以太太也呆在火盆旁边不愿离开。为了配合我的情绪, 她叫来了女仆收拾饭桌, 之后给水壶里添了水, 并擦拭着火盆的边沿。我问太太有没有什么要紧的(原文:特殊的)事情要做, 太太回答说没有, 然后却反问道我为何问她。我说:其实我有话要说。太太问我有什么话, 接着端详着我的脸。太太的语气是如此之轻淡(原文:轻藐), 以至与我的情绪不相匹配。我有点疽尬, 犹豫着怎样才能开口说出下一句话。(夏目漱石 未完待续 翻译者张超)


訳文:我挑了一个K和小姐都不在家的时候爬出被窝,家里静悄悄的。太太一看到我,太太连忙关心道:是不是哪里不舒服了?要不我把饭菜拿到房间里,吃完了你再睡一会儿吧!其实我身体好好的,根本就毫无睡意。洗了脸之后像往常一样去餐厅吃饭,太太在长方形火盆对面伺候着。这不晌不夜的,我手里端着饭碗发愁怎样才能引出话题来,心想从外表看来自己一定是病恹恹的吧!吃过饭后我开始抽烟,因为我没站起来,太太也没有离开火盆旁边。她叫来佣人把饭桌收拾了,又往铁壶里加了水,抹了抹火盆的边儿,就这么有意无意(原文:)陪着我。我问太太有没有什么重要的事情要办,太太回答说没有,并反过来问我:你有什么事情吗?我回答说:,是有点儿事。太太看着我问:什么事啊?她语气如此轻柔,与我的心情丝毫不相吻合(原文:丝毫没有注意到我的正襟危坐),因此我即将要说出来的话也变得吞吞吐吐起来。(夏目漱石  待续 翻译者 张君艳