日中翻訳コンテスト  2005年6月

             


2005年6月

2005年6月中訳の優秀答案当選者5名:(首選者)岡村明美(埼玉県中須賀俊治愛媛県松山市田村幸子(高松市)森本康子(大阪市矢野庸昭京都市

村の名前: 「村の名前は、桃源県桃花源村だ。橘の胸は軽くときめいた。中国にそんな名前の村がほんとうにあるとは、いまのいままで知らなかった」。小さな商社の社員である青年が、広尾の畳屋さんを連れて、藺草を求めて中国・湖南省の農村地帯を彷徨の末、やっとたどり着いたのが桃花源という名前の村。第103回(1990年)芥川賞受賞作だが、当時、私は受賞の喧騒の中で浮足立ち、調子に乗ってしまっていたらしい。インタビューなどで、日頃の文学観に反して、自分がかつて小さな商社に勤務していたこと、そこで実際に藺草を買い付けに中国へ行ったことなどをぺらぺらしゃべってしまった。極めつけの失敗は、桃花源という村の名前は実在する、と明かしたことだ。しまった、と思ったがあとの祭りである。


参考译文: "这个村庄叫桃源县桃花源村!这位叫桔的青年心里不禁为之一动。中国真的有叫这个名字的村庄呀、我还是头一次听说呢。" "一家小小的贸易公司的年青职员带着一位叫广尾的榻榻米草席店的老板去中国到处找席草。他们在中国湖南省的农村地带东走西走,转来转去、最后到达的就是这个叫桃源村的村子。" 这是我获得第103届芥川奖的小说的内容梗概。当时我在受到奖励的旋涡里飘飘然然,情不自禁,在接受采访时,我违背了自己一贯的文学观,喋喋不休地说个不停: 我以前就是在一家小小的贸易公司工作过,就是为了买席草去中国什么什么的,我最大的失败就是我说出了这个叫桃源村的村子实实在在存在着,这句话一旦说出了口,马上就觉得糟了,但后悔也来不及了。」(翻译者: 冈村明美)