2004年8月
2004年8月中訳の優秀答案当選者5名:★(首選者)王亮(埼玉市)松村奈穂子(奈良市)村上正明(沖縄県那覇市)沢田たか子(徳島市)内田直美(佐賀県)
徐福という人は、中国に生まれ育ったが、創業に成功したのは日本でのことである。彼が大事をまっとうした故地には、最も古い二冊の史書の『古事記』と『日本書紀』がある。そのなかにおいて、日本は文明の後進国で、その早期の歴史には、例の「闕史時代」がある。思いがけないことに『記』『紀』では、「上古は久しく遠く、影形は追いがたくて、遺漏や忘却は避け難し」を口実として、わざとこの祖先の名前を出さなかった。ましてや、その手柄や偉業に触れないのはいうまでもないことである。実際には、徐福についての記載はあるのだが、名前を変えてしまった。これについては後述する。日本の史学界では、伝統的に、「徐福の東渡と来日」にたいし、こうした回避的な態度を取ってきた。その原因は複雑なもので、深く不可解な部分がある。彼の第二の故国でさえ、歴史上、ほんとうにその人がいたことを認めないなら、徐福は少なくとも日本の史学界では「別冊」にでも入るしかない。人々からは冷たい目つきで見られるよりほかに、なかったのである。これも大きな要素となり、徐福は茫漠とした謎のなかに沈んだのである。
参考訳文:徐福虽然生在中国,但他创业并且成功的地方是日本。在日本有两本记载着他成就大事的最古的史书:《古事记》和《日本书纪》。但在这两本史书中都提到:日本曾经是一个文明的后进国家、然而其早期的历史却有“缺乏历史记载的时代”。意想不到的是:这两本历史书中都以:“上古久远,形影难追,难避遗忘”为借口,而故意不提这位老祖宗的大名,那当然不用说承认他的丰功伟绩了。但实际上在这些历史书中对徐福的丰功伟绩不是没有记载、而只是换了名字而已。关于这个问题,下面还要提到。
|