2004年3月
2004年3月中訳の優秀答案当選者5名:松村奈穂子(奈良市)木村早苗(青森県)橋本明(高知市)宮本とし子(東京都小平市)
不況で試される生き方:「バブルのころは実際お金なんてなくても、みんな歯をくいしばって必要のないものを買いこんでいたんでしょうね」 ぼくは割とタクシーのなかの話が好きなので、調子をあわせました。「今はけっこうお金をもってるのに、必要なものも我慢して買わずにいる」「やっぱりあれなんじゃないですか、日本人は極端に振れやすいんじゃないですかね。いっせいにふくらんだり、縮んだり、中間くらいがちょうどいいんだろうけど、その加減がなかなかむずかしい」 ぼくは高層ビルの建設ラッシュが続く八重洲の町並みを眺めていました。これが不景気なら、それもまた悪くないじゃないか。経済成長期の慢性微熱とバブルの熱病を経て、日本人は自分たちの平熱を忘れてしまった。今もどこかで、あの虚しい熱狂を期待しているところがある。増長でも、卑下でもない平熱の生き方。不景気とはいえない不景気の日本で、その道をひとりひとりがじっくりと探す。試されているのは、個人の内実です。 参考译文: 「不景气能考验一个人的生活方式:”在泡沫经济时期,即使没钱,也硬着头皮买下了不需要的东西” 。我比较喜欢在出租车上和司机聊天儿。我顺着对方的意思回答说:”现在大家相当有钱,可却咬着牙连需要的东西也不买了”。可不是嘛,日本人容易像钟摆似的从一个极端摆到另一个极端, 要不就像气球似的一齐膨胀,一齐收缩,中不拉叽的不正好嘛,可怎么能调到中间呢。」我望着摩天大楼竞相涌出的八重州的街区,心里想:如果这也叫不景气的话这又有什么不好的呢? 经历了经济长时期的慢性低烧和泡沫经济时期的高烧,日本人把自己的正常体温都忘了吧。现在还有些人在期待着过去的哪种虚幻的热狂。说是不景气可也说不上不景气的日本,今天需要的是:一个人一个人地仔仔细细地探索 − 既要维持经济长,又不需要自卑,更不需要发烧的,平平静静的发展模式。这种探索将是对每一个日本人内心的试练。」(翻译者 松村 奈穗子 主持人稍有修改)
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