日中翻訳コンテスト 2022年6月
『山月記』簡介:這是日本明治時代的年輕作家中島敦根據唐代的一個怪異事件改寫的短篇小說。隴西人李徵年輕有為科舉考上進士。但是他為人清高.不願在官僚前卑躬屈膝而以詩人得名。他選擇了退官做詩人的道路。然而退官後陷入困窮。因而再度屈就官職。李徵在自尊心受到嚴重挫折下去河南出差,一天晚上,精神錯亂的李徵去向不明。一年後,昔時舊友袁傪在路過李徵失蹤地時偶然發現搔擾當地人的食人虎竟是李徵,在舊友前傾吐了內心後的李徵再次消失在草叢中。中國文化沙龍從2022年1月到12月分12次連載。
『中島敦 山月記―6』:
今までは、どうして虎などになったかと怪しんでいたのに、この間ひょいと気が付いて見たら、己はどうして以前、人間だったのかと考えていた。これは恐しいことだ。今少し経てば、己の中の人間の心は、獣としての習慣の中にすっかり埋れて消えて了うだろう。ちょうど、古い宮殿の礎が次第に土砂に埋没するように。そうすれば、しまいに己は自分の過去を忘れ果て、一匹の虎として狂い廻り、今日のように途で君と出会っても故人と認めることなく、君を裂き喰うて何の悔も感じないだろう。一体、獣でも人間でも、もとは何か他のものだったんだろう。初めはそれを憶えているが、次第に忘れて了い、初めから今の形のものだったと思い込んでいるのではないか? いや、そんな事はどうでもいい。己の中の人間の心がすっかり消えて了えば、恐らく、その方が、己はしあわせになれるだろう。だのに、己の中の人間は、その事を、この上なく恐しく感じているのだ。ああ、全く、どんなに、恐しく、哀しく、切なく思っているだろう! 己が人間だった記憶のなくなることを。この気持は誰にも分らない。誰にも分らない。(464)
2022年6月優秀当選者5名: ★小林里香 ★佐藤芳子 江川美帆 陳暁嵐 柳川千鶴 翻訳努力当選者:4名: 奥田京造 李紀信 田中雅成 劉静芳
『中島敦 山月記―5』:至今為止俺為自己為何變成老虎而感到莫名其妙。但近來俺突然醒悟到俺以前怎麼是人呢? 這個念頭真可怕。這樣下去的話,不久, 俺的人性將會完完全全被獸性埋沒。就像是古代宮殿從柱基開始漸漸被土砂吞沒一樣。再下去,忘卻了自己過去的俺作為一隻老虎狂奔亂跑。那時,即使就像今天這樣在途中遇到您,恐怕也不能認出是老友而把您撕碎吃掉卻毫無悔意吧。 俺想,無論是獸還是人,本來卻是另一種生命体。生命剛開始時還知道自己是什麼,然而逐漸忘卻了,自己以為自己本來就是現在的生命体。難道不是這樣嗎? 不,不, 是不是都無所謂。 俺的人間之心完全喪失的話真可怕,不過對於俺來說是一種幸福吧。說實話,俺心中的人性對此無比恐懼。啊啊! 全部! 多麼! 恐懼! 哀傷! 苦悶! 俺失去自己是人的記憶的心情無人能理解,無人理解。(翻譯: 小林里香)
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