日中翻訳コンテスト  2019年7

              

 


019年7月の優秀答案当選者3名:徳川広子 和田明菜 小林明寛 翻訳努力当選者3名  藤井佳奈 江川美帆  上田幸恵 

 

 

(江戸川乱歩 「怪人二十面相」の7):壮二君は、いつか一度経験した、ネズミとりをかけたときの、なんだかワクワクするような、ゆかいな気持を思いだしました。しかし、こんどは、相手がネズミではなくて人間なのです。しかも「二十面相」という希代の怪賊なのです。ワクワクする気持は、ネズミのばあいの、十倍も二十倍も大きいものでした。鉄わなを花壇のまんなかまで運ぶと、大きなのこぎりめのついた二つのわくを、力いっぱいグッとひらいて、うまくすえつけたうえ、わなと見えないように、そのへんの枯れ草を集めて、おおいかくしました。 もし賊がこの中へ足をふみいれたら、ネズミとりと同じぐあいに、たちまちパチンと両方ののこぎりめがあわさって、まるでまっ黒な、でっかい猛獣の歯のように、賊の足くびに、くいいってしまうのです。家の人がわなにかかってはたいへんですが、花壇のまんなかですから、賊でもなければ、めったにそんなところへふみこむ者はありません。「これでよしと。でも、うまくいくかしら。まんいち、賊がこいつに足くびをはさまれて、動けなくなったら、さぞゆかいだろうなあ。どうかうまくいってくれますように。」 壮二君は、神さまにおいのりするようなかっこうをして、それから、ニヤニヤ笑いながら、家の中へはいっていきました。じつに子どもらしい思いつきでした。しかし少年の直感というものは、けっしてばかにできません。壮二君のしかけたわなが、のちにいたって、どんな重大な役目をはたすことになるか、読者諸君は、このわなのことを、よく記憶しておいていただきたいのです。


江戸川乱歩「怪人二十面相」之七):壮二想起自己曾经体验过的,捉老鼠置捕兽夹时心里砰砰直跳兴奋开心的心情。可是,的对手可不是老鼠而是人,更是被称为“二十面相”的前所未闻的盗贼在他那兴奋的心情可比捕捉老鼠大十倍、二十倍。壮二把捕兽夹搬到花的中央,用手锯齿般的两个兽夹使劲儿掰开、置好,然后用旁边的枯草掩盖住,使之不容易被发现如果盗贼的脚踏到里,两个铁夹会一下子的一声紧紧合起来咬住盗贼的脚,就和捕老鼠一样,简直像KK的巨大的猛兽的牙齿把盗贼的脚脖子咬住不放一样。如果家里人踩上可不得了,不为放在的中央,不是,怎么也不会到这儿来吧。「这样一定好,不过会成功吗, 万一盗贼的脚被夹住动不了的话,想必会令人开心吧」,壮二一边这样想着,一边做出祈祷老天爷的样子。然后笑嘻嘻地回到房间里,实际上这只是孩子天真的主意罢了。不过孩子的直感可不能小看,壮二布下的圈套,待会儿会怎么发挥呢? 请读者各位拭目以待且听下回分解。(翻译:コ川广子)