2016年7月の優秀答案当選者5名: ★王若薇
★熊谷鐘蘭、★小西楽平
本田昭、山村美恵
「太宰治「斜陽」の7」けれども、そのお父上の亡くなられた日の夕方、お庭の池のはたの、木という木に蛇がのぼっていた事は、私も実際に見て知っている。私は二十九のばあちゃんだから、十年前のお父上の御逝去の時は、もう十九にもなっていたのだ。もう子供では無かったのだから、十年経っても、その時の記憶はいまでもはっきりしていて、間違いは無い筈だが、私がお供えの花を剪りに、お庭のお池のほうに歩いて行って、池の岸のつつじのところに立ちどまって、ふと見ると、そのつつじの枝先に、小さい蛇がまきついていた。すこしおどろいて、つぎの山吹の花枝を折ろうとすると、その枝にも、まきついていた。隣りの木犀にも、若楓にも、えにしだにも、藤にも、桜にも、どの木にも、どの木にも、蛇がまきついていたのである。けれども私には、そんなにこわく思われなかった。蛇も、私と同様にお父上の逝去を悲しんで、穴から這い出てお父上の霊を拝んでいるのであろうというような気がしただけであった。そうして私は、そのお庭の蛇の事を、お母さまにそっとお知らせしたら、お母さまは落ちついて、ちょっと首を傾けて何か考えるような御様子をなさったが、べつに何もおっしゃりはしなかった。 けれども、この二つの蛇の事件が、それ以来お母さまを、ひどい蛇ぎらいにさせたのは事実であった。蛇ぎらいというよりは、蛇をあがめ、おそれる、つまり畏怖の情をお持ちになってしまったようだ。 蛇の卵を焼いたのを、お母さまに見つけられ、お母さまはきっと何かひどく不吉なものをお感じになったに違いないと思ったら、私も急に蛇の卵を焼いたのがたいへんなおそろしい事だったような気がして来て、この事がお母さまに或いは悪い祟りをするのではあるまいかと、心配で心配で、あくる日も、またそのあくる日も忘れる事が出来ずにいたのに、けさは食堂で、美しい人は早く死ぬ、などめっそうも無い事をつい口走って、あとで、どうにも言いつくろいが出来ず、泣いてしまったのだが、朝食のあと片づけをしながら、何だか自分の胸の奥に、お母さまのお命をちぢめる気味わるい小蛇が一匹はいり込んでいるようで、いやでいやで仕様が無かった。
「太宰治「斜陽」の7訳文」 但是,父亲逝去的那天傍晚,庭院池塘旁的田地里,所有的树上都有蛇在爬的事情,我也曾亲眼目睹。我现在已是二十九岁的老太太了,十年前父亲去世的时候,也已到十九岁。已经不是个孩子了,即使过了十年之久,那时的记忆还是如此鲜明,应无差错。那日我为了剪几枝上供用的花,便漫步向庭院池塘走去,停在池塘岸边的杜鹃花旁,无意识地一瞧,那杜鹃花枝头,盘绕着一条小蛇。我略微吓了一跳,想折下旁边那株棣棠花枝时,发现棣棠枝上竟也缠着一条。近旁的木犀,刚发芽的枫树,金雀花枝,藤花树,樱花树,无论哪棵树上,都缠绕着蛇。但是我并没感到十分害怕。我只是觉得,蛇也同我一样,为逝去的父亲伤悲,爬出了洞在祭拜父亲的亡魂吧。随后我把院子中满是蛇的事情偷偷告诉了母亲,母亲很平静,略微歪着头像是在思考什么,却最终什么也没有说。但自从这两件蛇的事件之后,母亲变得非常讨厌蛇却是个不争的事实。与其说是讨厌,不如说是崇敬,敬畏,也就是对蛇存有了畏惧之心。这次烧了蛇蛋的事情被母亲撞见,想到母亲一定会感觉十分不吉利,便突然觉得自己烧蛇蛋是一件十分可怕的事,该不会给母亲带来灾祸吧?如此担心得不得了,过了一天又一天也始终无法释怀,然而今天早晨在饭堂里,竟脱口说出些美人会早死之类荒唐的事情,之后怎么也无法敷衍过去,急的哭了出来。但在吃完早饭后一边收拾一边觉得,有一条会缩短母亲寿命的可怕小蛇钻进了自己的心底,难受得不知所措。(翻訳者:王若薇) 但是,就在父亲去世的那天傍晚,院子的池塘边所有的树上都爬满了蛇,是我亲眼看到的,当然知。我现在已经是二十九岁的“老女人”了,十年前父亲去世时也有十九岁了,已经不是个孩子了。所以虽然事过十年,还是让我记忆犹新,应该没有错。当时我为了剪些祭祀的花,朝着院子里的池塘走去,来到池塘边的杜鹃树下,蓦然望去发现这棵杜鹃树的树枝上缠着一条小蛇,让我有些吃惊。接着我要折棣棠花枝时,发现那树枝上也缠着蛇。而且它旁边的桂花树上、嫩枫树上、金雀儿上、紫藤上、樱花树上、所有的树上,所有的树上!!都爬满了蛇。但是我却没怎么感到害怕。我只是感觉这些蛇和一样在为父亲的逝去而悲哀,所以从洞穴中爬出来,和我一起祭拜父亲。然后我将在院子里看到蛇的事,悄悄地告诉了母亲。但是出乎我的意料,母亲非常镇定,只是歪了歪头,好像在思索着什么,但是并没有说什么。 然而通过这两件蛇的事件,事实上使得母亲从此非常怕蛇。说是怕蛇,倒不如说是对蛇抱有一种崇拜、畏惧、像是一种敬畏的感觉。 我想起我烧蛇卵的事被母亲看到,母亲一定会觉得非常不吉利,突然间惊觉到自己做了一件非常可怕的事,不由自主地开始担心起母亲会不会被诅咒,我们会不会遭到什么报应。我提心吊胆地过了一天又一天,但是始终忘不了这件事。然而今天早上在食堂,我却情不自禁地脱口说出了最不该说的话:“漂亮的人短命哦”。说出口的话覆水难收,再怎么也无法搪塞了,我急得哭了起来。早饭后我边收拾着碗筷,边感觉到自己的心灵深处,像是钻进了一条正在咀嚼母亲生命的可怕的小蛇,那种滋味让我心烦至极。(翻訳者:熊谷鐘蘭) 然而父親死後的黃昏,我親眼目睹庭園水池旁邊的每一棵樹都有蛇在盤繞着。我現在都已經二十九,十年前父親去世時,十九歲的我也不小了,就算事隔十年,那天的事自然記得清清楚楚不會有錯的。當時我走到水池附近去採祭祖花,杜鵑花都是長在池邊的,我走近花枝抬頭一看,才發現尖端上有一條細蛇纏繞着。我吃了一驚後,想伸手去剪旁邊的棣棠,但這裏也有蛇盤繞着。連鄰近的桂花樹﹑小楓樹﹑金雀花﹑紫藤﹑櫻花,這棵樹,那棵樹都有蛇。然而我卻不怎麼害怕牠們,我想那些蛇也只是和我一樣為死去的父親感到痛心,因此才會悄悄地由洞穴走出來拜他的。後來我順口告訴母親庭園中有蛇的事情,她平心靜氣地,歪着腦袋似乎在想什麼事情,但始終沒有說話。事實上,經過這兩件有關蛇的事情後,母親便變得非常討厭牠們。不過與其說她討厭,倒不如說她敬畏牠們,即是她對蛇有了種恐懼的心情。她上次見我燒蛇蛋時,定是感到非常不吉利吧。這麼一想,我才發現燒蛇蛋是件多麼可怕的事情。我不得不擔心這件事會使母親遭到鬼神的報應。這令明天,或是明天的明天的我都不能放心。昨天我還說什麼漂亮的人會早死這種胡說八道的事情,說完也沒法子完場,只能大哭一場了。之後我收拾早飯的餐具時,總感覺有一條會使母親早死的蛇溜進了我的心底,難受得不得了。(翻訳者:小西樂平) 2016年1月からの翻訳コンテストは、太宰治の「斜陽」 |