日中翻訳コンテスト  2012年9月



            


2012年9月の優秀答案当選者5名: 田中健治、西原美富子、劉翔龍、山本勝則 王鳳栄

「吾輩は猫である2012−09」: 何を買って来たのかと思うと水彩絵具と毛筆とワットマンという紙で今日から謡や俳句をやめて絵をかく決心と見えた。果して翌日から当分の間というものは毎日毎日書斎で昼寝もしないで絵ばかりかいている。しかしそのかき上げたものを見ると何をかいたものやら誰にも鑑定がつかない。当人もあまり甘くないと思ったものか、ある日その友人で美学とかをやっている人が来た時に下(しも)のような話をしているのを聞いた。「どうも甘くかけないものだね。人のを見ると何でもないようだが自ら筆をとって見ると今更のようにむずかしく感ずる」これは主人の述懐(じゅっかい)である。なるほど詐(いつわ)りのない処だ。彼の友は金縁の眼鏡越に主人の顔を見ながら、「そう初めから上手にはかけないさ、第一室内の想像ばかりで画がかける訳のものではない。昔し以太利(イタリー)大家アンドレア・デル・サルトが言った事がある。画をかくなら何でも自然その物を写せ。天に星辰あり。地に露華あり。飛ぶに禽。走るに獣あり。池に金魚あり。枯木に寒鴉あり。自然はこれ一幅の大活画なりと。 (夏目漱石 継続)


「俺是猫2012-09: 我正在想他买什么来着的时候,发现他买来了水彩画的画具和毛笔还有叫瓦特曼的高级画纸,听说从今天起停止做谣曲和俳句下决心画画了。果然,在相当长的时间里他每天每天在书斋里的午睡也不睡了埋头做画。不过,他一气呵成的画里画了什么,谁也无法鉴定。我想他本人也知道吧。 一天,一位学美术的朋友来家,两人的对话如下:“看起来很不容易啊,别人画看起来简单,自己一画,就觉得很难了”,这是主人的感想。原来他也不打算掩盖这一点啊。主人的朋友越过金边眼镜看着主人说:“刚开始画怎么能画好呢,,首先,画不是在房间里想像出来的。以前意大利大画家安コ烈·达格诺罗·萨托这样说过:‘画画就要画自然,画天上的星星,画花上的露水,画空中的飞禽,画地上的走兽,画池里的金鱼,画枯树上的寒鸦…自然界本身就是一幅巨大而生动的画’(翻译者:田中健治)

 

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