日中翻訳コンテスト  2012年8月



          


2012年8月の優秀答案当選者5名: 上田美歩、藤田昭美、王暁麗、山田清次郎、橋本祐樹


「吾輩は猫である2012−08」: 吾輩は教師の家に住んでいるだけ、こんな事に関すると両君よりもむしろ楽天である。ただその日その日がどうにかこうにか送られればよい。いくら人間だって、そういつまでも栄える事もあるまい。まあ気を永く猫の時節を待つがよかろう。我儘で思い出したからちょっと吾輩の家の主人がこの我儘で失敗した話をしよう。元来この主人は何といって人に勝すぐれて出来る事もないが、何にでもよく手を出したがる。俳句をやってほととぎすへ投書をしたり、新体詩を明星へ出したり、間違いだらけの英文をかいたり、時によると弓に凝ったり、謡を習ったり、またあるときはヴァイオリンなどをブーブー鳴らしたりするが、気の毒な事には、どれもこれも物になっておらん。その癖やり出すと胃弱の癖にいやに熱心だ。後架の中で謡をうたって、近所で後架先生と渾名をつけられているにも関せず一向平気なもので、やはりこれは平の宗盛(むねもり)にて候を繰返している。みんながそら宗盛だと吹き出すくらいである。この主人がどういう考になったものか吾輩の住み込んでから一月ばかり後のある月の月給日に、大きな包みを提げてあわただしく帰って来た。(夏目漱石 継続)


「俺是猫2012-08:虽然俺住在教师的家里,对于这种事儿,与其说比起住在军人家的A君还是者律师家的B君来要来得乐观,还不如说做一天和尚撞一天钟罢了。不管什么人也不会永远显赫下去吧,还是心平气和地等待时来运转好了。这样漫无天地想的时候我突然回想起一件我家那位任性的主人失败的故事来。本来我家的主人并不是善于取胜的人。他只不过是一个什么都喜欢出手的人而已。心血来潮想做俳句的时候一下子就投稿,想做新诗的时候马上就把诗歌寄给「明星」杂志,错误连篇的英文也写写,弓道也练练,谣曲也唱唱,还有时候,叽叽嘎嘎地拉拉小提琴什么的。可怜的是,什么都虎头蛇尾。尽管如此,他也不管他的胃弱,开起头来还真够热心的呢。他居然在茅厕里高唱谣曲,邻居们给他取了个「茅厕先生」的诨名儿他却平心静气一点儿也不在乎。他把「平宗盛前来拜见」的句子唱了又唱,直到大家一听到「宗盛」的词儿就笑出声来。这个主人不知怎么回事儿,俺刚来一个月的时候,关饷的那天,他拎着一个大包袱慌慌忙忙回到家里。(夏目漱石 续待 翻译者:上田美步)


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