日中翻訳コンテスト  2011年2月

             


2011年月の優秀答案当選者5名: 張君艶(中国広州市内田直美今西有美川上源治水野みはる

 

蟹工船2011-02 第1回」:「おい地獄さ行ぐんだで!」 二人はデッキの手すりに寄りかかって、蝸牛が背のびをしたように延びて、海を抱え込んでいる函館の街を見ていた。――漁夫は指元まで吸いつくした煙草を唾と一緒に捨てた。巻煙草はおどけたように、色々にひっくりかえって、高い船腹をすれずれに落ちて行った。彼は身体一杯酒臭かった。 赤い太鼓腹を巾広く浮かばしている汽船や、積荷最中らしく海の中から片袖をグイと引張られてでもいるように、思いッ切り片側に傾いているのや、黄色い、太い煙突、大きな鈴のようなヴイ、南京虫のように船と船の間をせわしく縫っているランチ、寒々とざわめいている油煙やパン屑や腐った果物の浮いている何か特別な織物のような波……。風の工合で煙が波とすれずれになびいて、ムッとする石炭の匂いを送った。ウインチのガラガラという音が、時々波を伝って直接(じか)に響いてきた。 この蟹工船博光丸のすぐ手前に、ペンキの剥げた帆船が、へさきの牛の鼻穴のようなところから、錨の鎖を下していた、甲板を、マドロス・パイプをくわえた外人が二人同じところを何度も機械人形のように、行ったり来たりしているのが見えた。

小林多喜二 続く)

 

蟹工船2011-02 第一回 訳文》:哎!又要下地狱去喽!”两个船工斜倚在甲板栏杆上,望着像伸出壳的蜗牛般环绕着海湾的函馆街景叹息着。一个满身酒气的船工把快要烧到手的烟头儿扔到海里,又吐了口唾沫。烟头儿像变戏法似地从高高的船上翻着筋斗紧擦着船体落下去。他酒气冲天汽船鼓着大红色肚子宽宽地漂浮在海面上,就像被人用力拽了袖筒儿似地半侧斜着,似乎正在装货。黄色的大烟囱、大铃铛般的浮标、像臭虫一样在汽船间穿梭的汽艇、顶着寒气喷出的油烟与漂浮着面包屑、烂水果什么的就像是一块别致的织布一样的海面的波纹……煤烟顺风飘过海面,传来一股刺鼻的臭味儿。绞车嘎嘎地响声不时随着波浪直传过来。紧靠在这艘叫做“博光号”的蟹工船的前面,一艘油漆斑驳的帆船从牛鼻子锚洞中抛下船锚。还能看到甲板上,两个叼着烟斗的外国人,在同一个地方就像机器人一样来回踱步。(小林多喜二 未完待续 翻译者張君艶)