2011年1月の優秀答案当選者5名: ★張君艶(中国広州市)、田村美鈴、小藪平生、野口博子、村上三枝
「先生と私」の40: 私はなんの分別もなくまた私の部屋に帰りました。そうして八畳の中をぐるぐる回り始めました。私の頭は無意味でも当分そうして動いていろと私に命令するのです。私はどうかしなければならないと思いました。同時にもうどうすることもできないのだと思いました。座敷の中をぐるぐる回らなければいられなくなったのです。檻の中へ入れられた熊のような態度で。 私は時々奥へ行って奥さんを起こそうという気になります。けれども女にこの恐ろしいありさまを見せては悪いという心持ちがすぐ私を遮ります。奥さんはとにかく、お嬢さんを驚かすことは、とてもできないという強い意志が私を抑えつけます。私はまたぐるぐる回り始めるのです。私はその間に自分の部屋のランプをつけました。それから時計をおりおり見ました。その時の時計ほど埒のあかない遅いものはありませんでした。私の起きた時間は、正確に分からないのですけれども、もう夜明けに間もなかったことだけは明らかです。ぐるぐる回りながら、その夜明けを待ち焦がれた私は、永久に暗い夜が続くのではなかろうかという思いに悩まされました。(夏目漱石 最終回)
「先生和我」之40: 我已经失去了全部的思考能力,就这样返回到自己的房间,在房间里开始转来转去。这样做我意识到毫无意义但意识又逼迫我这么做,我想我也只能这样徘徊下去。现在无论做什么都于事无补了,我只能在榻榻米上转来转去,就像一只被关进笼子里的熊。有时候想进去里间叫醒太太,但又想不能让她看到那么恐怖的情景,这样想阻止了我这样做。太太可能还能忍受,要是惊吓到小姐,那真是无法想像,这种强烈的意志阻止了我,我只好继续转来转去。那时,我打开了灯,然后不停地看表。然而此时那表就像停了一样静止不动。我虽不能准确判断起床的时间,但估计差不多已经黎明马上就要天亮了。我一边徘徊,一边焦急地等待天亮。我气急败坏的想:难道这无边无尽的K夜将永远持续下去吗?(夏目漱石 全文结束 翻译者 張君艶)
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