2006年7月の優秀答案当選者5名: ★田中幸夫(横浜市)、中尾武雄(名古屋市)、浜田紀子(広島県廿日市市)、谷田実(奈良市)、大石茉莉(広島県東広島市) 「相手依存の自己規定の2」:これはひとつの挿話にしがすぎないのであるが、しかしこの話ほど、私がこれから述べようとする、日本人によって、自分とは何か、相手とは何かの問題を解明するための適切な糸口を与えてくれるものもないと思うのである。私たち日本人は、絶えず自分の本当の気持ち、意のあるところをだれが適当な他人に分かってもらうことを求めているらしい。他の人に賛成してもらいたい、同意してほしい、共感を味わいたいという願望は、私たちの他人との関係の中で手を替え品を替えて各種の行動に現れてくる。何もかもぶちまけてしまいたい、すっかりしゃべって胸がせいせいするというような態度、日本の犯罪者自白率が高いという事実、外交の舞台でしばしば問題になる日本人の機密や秘密を保持することを難しさ、それらはすべて、重大な問題を一人心にしまって、それの重みにじっと耐えていくという固く閉ざさえた自我のしくみが、私たち日本人には極めて弱いためなのではないかと思われる。 (鈴木孝夫) 参考訳文:依存于对方的自我约束之二:“这虽然只是一个插话,但这种话、正如我下面想要谈到的那样、正好是解决:「对于一个日本人来说,自己是谁,对方又是谁」的问题的非常合适的一个线索。作为一个日本人,似乎经常希望自己真正的心情和心意获得别人的理解。在我们的人间关系中、获得他人的赞同、同意以及同感的愿望、通过各种各样的方式、在各种不同的行动中表现出来。什么也不假考虑地一口气倾吐出来、明明白白地正正堂堂地表明自己的心境的态度,事实上这就是日本人的犯罪者的自供率高的原因。在外交舞台上、常常出现日本人保守机密困难的局面。这全都是由于一个人要在心里保守重大的秘密将给其内心施加极大的压力。我认为、为了对抗其巨大压力而牺牲自我的心理模式对于日本人来说难道不是极其脆弱而且不堪忍受的吗。” (原文作者:铃木孝夫, 翻译者: 田中幸夫) |