日中翻訳コンテスト  2011年4月

              



 2011年月の優秀答案当選者5名: 久米宏一、大前一太郎内田秋生山田哲郎田中佐智子


「蟹工船2011-04」:「あっちの棚は?」「南部」「それは?」「秋田」 それ等は各 棚をちがえていた。「秋田の何処だ」 膿のような鼻をたらした、眼のふちがあかんべをしたようにただれているのが、「北秋田だんし」と云った。「百姓か?」「そんだし」。 空気がムンとして、何か果物でも腐ったすっぱい臭気がしていた。漬物を何十樽も蔵ってある室が、すぐ隣りだったので、「糞」のような臭いも交っていた。「こんだ親父(おど)抱いて寝てやるど」――漁夫がベラベラ笑った。 薄暗い隅の方で、袢天を着、股引(ももひき)をはいた、風呂敷を三角にかぶった女出面らしい母親が、林檎の皮をむいて、棚に腹ん這(ば)いになっている子供に食わしてやっていた。子供の食うのを見ながら、自分では剥いたぐるぐるの輪になった皮を食っている。何かしゃべったり、子供のそばの小さい風呂敷包みを何度も解いたり、直してやっていた。そういうのが七、八人もいた。誰も送って来てくれるもののいない内地から来た子供達は、時々そっちの方をぬすみ見るように、見ていた。


小林多喜二 続く)


译文:「蟹工船 20114月」:“那个架子上的呢?”“从南边儿 ”“这个架子上的呢?” “从秋田”。看来他们是按来的地方安排在各个不同的架子上的呢。“你打秋田的哪儿来的?” 吊着浓浓的鼻涕,眼圈儿烂得像拌鬼脸的一个回答说: “北秋田男子汉!”。「是老百姓?」。「好像吧」。空气沉闷,充满着好像什么烂水果一般的酸臭味儿。仓室的隔壁是一间堆着几十桶咸菜的库房。和仓房的味儿交织起来散发出粪便般的恶臭。“这该让老爸搂着睡了哩” −渔夫傻呵呵地诈笑着说。 昏暗的角落里,一个穿着棉袄和棉睡裤,头上扎着用包袱皮作头巾扎成三角型的女工模样的女人,剥着苹果皮,让蜷俯在架子上的孩子吃苹果。她看着孩子吃,自己却吃着剥下来的一圈儿一圈儿的苹果皮。一边说着什么,一边把身边的包袱打开来又系上,系上又打开。仔细一看里面还有七、八个这样的女人呢。从内地来的孩子们却没有人送行。他们不断地用眼角扫着这边儿的动静。(小林多喜二 继续  翻译者: 久米宏一+大前一太郎)