左江花山の岩絵の文化的景観(さこうかざんのいわえのぶんかてきけいかん)は
中国西南部広西省の南部の寧明県の左江畔の花山の100キロの岩壁に16000年前から700年まで先住民が残して大量な画、画は、赤鉄鉱石の粉と動物脂肪と混ぜて作成した顔料で描く。内容が蛙の姿の人物や牛など簡単な図案。しかし、その数は3000以上。2016年ユネスコの世界文化遺産に登録。
中国南部の広西チワン族自治区に残る、700年以上に渡ってカルスト地形の断崖壁面に描かれた大規模な岩絵群を含む文化的景観である。これらの岩絵群は左江(中国語版)およびその支流である明江(中国語版)の岸壁に見られ、広西弄崗国家級自然保護区(中国語版)に含まれる岩絵もある。また、明江右岸は花山岩画風景区に指定されている。2016年7月15日にUNESCOの世界遺産リストに登録され、登録対象となった3地区38件の岩絵群は、崇左市の寧明県、竜州県、江州区、扶綏県に位置している。
なお、中国語:
岩画は「岩絵」のことである。日本語では「岩画」という熟語はあまり一般的ではないが、日本語文献でもこの遺跡を花山岩画(かざんがんが)として掲載しているものがある。
左江両岸には切り立った崖が見られ、その壁面に赤い顔料で多くの図像が描かれている。顔料は赤鉄鉱に植物の樹液を混ぜたものが使われた。壁画の中には130 m
の高さに描かれたものもあるが、切り立った崖に描いた手法としては、足場を組んだ方法が(発見されている杭の残骸を根拠に)指摘されているほか、崖の頂上からぶら下がったり、下からよじ登った可能性なども指摘されている。
崖の壁面に岩絵の描かれた地域の中でも主要な場所は、幅およそ170メートル (560 ft)、高さ約40メートル (130 ft)で、110ほどのグループに分類できる約1900個の像が描かれており、中国の岩絵の中でも大規模な部類に属する。それらの壁画はおおむね川面からの高さで30メートル
(98 ft)から90メートル (300 ft)の場所に描かれている。
左江花山の岩絵
図像には人物を描いたものが多く、腕を掲げて足を曲げたポーズは、何らかの儀式の様子を表したと考えられている。それらの多くは60 cmから 1.5 m ほどの背丈だが、小さなものだと20 cmほどのものがある一方、最も大きいものだと3.58 m になる。人物以外では刀剣類、船、動物などを描いたものもあるが、後述するように世界遺産登録理由との関わりで重要なのは、中国南部から東南アジアにかけて用いられてきた銅鼓らしき道具が描かれていることである。
壁画が描かれたのは紀元前5世紀から後2世紀と見なされている。始期や終期に若干の異説があるものの、その場合にも、おおむね戦国時代から後漢の時代に描かれた点では共通する。この時期にこの地に住んでいたのは、チワン族の祖先とも言われる雒越であり、岩絵は彼らの生活や儀式を描いたものと見なされている。ただし、放射性炭素年代測定の結果、最古の岩絵が16,000年前、最新の岩絵が690年前という可能性も出てきている。
崇左市チワン族博物館(崇左市壮族博物馆)には、この岩絵群の歴史などに関する展示物がある。
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