中国山東省双乳山遺跡

中国山東省双乳山済北王陵の出土文物展覧会は、
2001年8月4日〜9月16日京都文化博物館で開催しました。


漢王朝の華麗な輝きの紹介です
中国山東省にある双乳山済北陵からは、前漢王朝における諸候国の在り方や、その豪奢な京廷生活をうかがい知ることができる各種文物が多数出土しました。なかでも、墓中出土の5輌の車が、残存状態が良好な上、車の形式、規格も各種揃っており、漢代の車馬制度を知る上の非常に貴重な資料となっています。

展覧会には、玉製、金製、青銅製など、同墓から出土した漢代工芸の精品69点(全部422点)を車馬制度に関わる遺物に焦点をあてて紹介するものです。合わせて、日本国内で出土の漢代車馬具や最新の研究成果を反映させた馬車の復原模型など資料も展示します。


玉覆面
これは被葬者の顔面にかぶせるものである。顔の形に似せて、額片、印堂片、上下頬片、中頬片、上下頷片、上下唇片、耳片、唇罩の計18点から構成されている各玉片の厚さは2.9cmで、各玉片の内側の下部にある稜線と鼻革の縁のところに斜めに細い孔があけられており、綴るのに便利なようにしている。鼻罩以外の玉片は加飾はされておらず、つくりは精緻で、線は自然で美しい。特に鼻罩は稀にしかみないもので、ひとつの玉石を彫刻してつくられており、全体はアーチ状をした三角錐の形をしている。内側は彫りこまれて空洞となっている。両側面にはそれぞれ透彫りにされた5組の幾何学文様が施されており、その隙間は細い雲雷文でうめられている。底面には透彫りされた三角形の「鼻孔」が2つある。この種類の玉覆面は貴重な例であり、これまでに発見された古い玉の形状をそのまま利用し、具体的な顔の各部に見立てて顔面を構成した西周時代以降の玉覆面とは異なり、古い玉に加工改造を施して各部分をつくったものである。  玉覆面の出現は西周時代に遡り、春秋戦国時代を経て前漢時代に至るまで4O以上の例が発見されている。そのうち最も完全なものがこの双乳山1号漢墓より出土したのである。


双乳山済北陵で出土した1号車の模型、全長350cm、全幅度250cm、通高310cm、山東博物館所蔵

双乳山済北陵で出土した5号車の模型、全長3253cm、全幅度120cm、通高175cm、山東博物館所蔵

中日文化交流
情報更新は2002年4月12日




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