金沙江、瀾滄江 怒江の三江併流(さんこうへいりゅう)
中国のチベット高原に源を有する三つの川、金沙江(長江上流部)、瀾滄江(メコン川上流部)、怒江(サルウィン川上流部)が雲南省北部のデチェン蔵族自治州及び怒江リス族自治州を平行に流れている1,698,400haに及ぶ地域で、その地域は14の保護された地域からなる。動植物層が豊かなことから、ユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されている。
三江併流地域はインド亜大陸とユーラシア大陸の衝突によって生まれた巨大な褶曲地帯である。この地域で併流する3つの川は、最終的に、それぞれ遠く離れた東シナ海、南シナ海、インド洋に注ぐことになる。
地域内の気候は場所によって多様であり、これは結果的に地域内の動植物層の多様化を促進している。
この地域では世界の動物の内25%(中国国内においては50%)の個体が存在していると言われる。政府によってリストアップされた種は791種、内198種は中国固有種、80種は政府のレッドリストに登録されている。
植物も固有種を含め約6000種が確認されており、内2700種は中国固有種である。なかでも絶滅の危機に瀕したものもあり、33種が国家レベルで保護されている。
民族的にも多数の少数民族が居住している。 2003年7月2日に、パリで行われたユネスコ世界遺産大会で、中国雲南省北西部に位置している「雲南保護区群の三江並流自然景観がユネスコの世界遺産に収録された。中国29番目の世界自然文化遺産となっている。
「三川並流」の三川が雲南省西北部で約170キロ並行して流れ、高黎貢山、怒山、そして雲嶺を抜けていく。その区間で、金沙江、瀾滄江間の最短直線距離は66キロ、瀾滄江と怒江間は19キロにも満たず、
"並行して流れながらも合流しない"という世界でも唯一の奇観を呈している。この区域の面積は3.4万平方キロメートル余り。「三江並流」地域に含まれるのは、すでに世界文化遺産に登録されている麗江の一部、シャングリラ(中甸)、徳欽、貢山、ニンランなど。梅里雪山(雲南最高峰6740m)、白芒雪山、老君山などが含まれる。高山峡谷、雪峰氷河、高原湿地、森林草地、淡水湖といった絶景と希少貴重な動植物に恵まれており、同地域にはチベット族、ナシ族、リス族、イ族、トールン族、ヌー族など16の少数民族が合同居住地で、世界では、あまり見えない多民族、多言語、多宗教と多風俗の共存する地である。
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